教祖 戸次貞雄[1897~1965]

空王仏 ― 俺の体は、お恵み様に守ってもらっているのだ

戸次貞雄 説法録 【音声付】

戸次貞雄

【昭和36年3月3日 日本敬神崇祖自修団 先祖権現堂にて】


下記の戸次貞雄の法話をお聞きください。

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ご恩師
空王仏もついていく、と言ったのかな
女性
「はい」
ご恩師
「それは、誰に出て言われたの」
女性
「ツカダさん」
ご恩師
「うむ、黒磯の、ほう。空王仏というのは、あんたたちは知っているか。うーん、どうかな?俺は、別段に空王仏にもついてもらって、阿蘇に行く必要もないんだ。余計なおせっかいをしてもらうことはない。

それは、たとえ五大夜叉明王であれ、あるいは俺は、クシ屋の職人の貞さんだから、何も、そんな研究も、あるいは学問も修めたんじゃないのだから。まあまあ、釈迦が寝言を言った、胎蔵界とか、金剛界とかいうような、そんな妙なことばは、俺には分からん。

そんな連中が、回りを取り巻いて、俺を送るってなことを言ったそうだけれども、そんな者に守られなければならんような体ならば、守ってもらう必要はないんだ。何を言っているんだ!俺らの体は、お恵み様に守ってもらっているんだ。

形のない、形として取り扱う、あるいは、電源であるとか、空気であるとか、その中に見えざる、酸素とか炭素とか、いろいろなものがあるそうだ。俺は、喘息(?)だから、炭素のほうだろう。いろんな形のないものがある。あるいは、形のある、現実に食い物を食わなけりゃ、俺の体はないんだ。

それなのに、金剛界だ、胎蔵界だなんていったって、そんなことばが分かるか!冗談じゃない。この世の中でそんなことが分かるような人間が、一人でもおるかい」

「空王仏」とは法華経の授学無学人記品第九に、
「われ(釈迦のこと)阿難等と空王仏のみもとにおいて、同時に阿耨多羅三藐三菩提の心をおこしき」
と、釈迦の前世の師として登場する仏である。


万霊殿/正聖閣